税務署が取引を把握する主な仕組み
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 事業者への報告の求め(国税通則法74条の7の2) | 2020年1月から。国税局長は国税庁長官の承認を得て、事業者に対し、特定の取引をした人の氏名・住所・マイナンバーの報告を求めることができます |
| CARF(海外との情報交換) | 2026年の取引から、参加する国・地域の取引業者が利用者の居住地国を確認し、2027年から税務当局の間で情報が交換されます。日本居住者の海外取引所の情報は日本の国税庁に届く仕組みです |
| 国外送金等調書 | 1回100万円を超える海外への送金や海外からの入金は、金融機関から税務署に報告されます |
| 税務調査 | 調査では、銀行口座の入出金や取引所の記録を確認されます |
| 2028年以降(見込み) | 分離課税の開始に合わせて、暗号資産取引業者が特定暗号資産を売買した人の氏名・マイナンバー・銘柄などを、翌年1月31日までに税務署へ報告する仕組みが設けられます |
現在、国内の取引所が利用者全員の取引を税務署に定期的に報告する法定の仕組みはありません。年間取引報告書は、国税庁の依頼にもとづいて利用者に交付されているものです。
申告しなかった・少なく申告した場合の負担
| 種類 | 税率・割合 |
|---|---|
| 無申告加算税(税務調査を受けてから申告した場合など) | 納める税額のうち50万円までは15%、50万円超300万円までは20%、300万円超は30% |
| 無申告加算税(調査の通知前に自分から期限後申告した場合) | 5% |
| 過少申告加算税 | 10%(期限内の税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%) |
| 重加算税(隠したり偽ったりした場合) | 過少申告に代えて35%、無申告に代えて40% |
| 延滞税(2026年中の割合) | 納期限の翌日から2か月以内は年2.8%、2か月を過ぎると年9.1% |
| さかのぼる期間 | 原則5年、偽りや不正がある場合は7年 |
延滞税の割合は毎年見直されます。2027年の割合は、確認日時点では公表されていません。
申告していなかったことに気づいたら
過去の年の申告をしていなかった場合は、税務署から連絡が来る前に期限後申告をすると、無申告加算税は5%で済みます。期限から1か月以内で、税金を全額納めているなど一定の要件を満たせば、加算税がかからないこともあります。
少なく申告していた場合は修正申告をします。税務調査の通知を受ける前に自主的に修正すれば、過少申告加算税はかかりません。取引が多く、過去の記録を集めるのが難しい場合は、税理士に相談するのが確実です。
合法的に税金を抑えられること
税金を払わずに済む「抜け道」はありませんが、ルールの範囲で負担を正しく計算することはできます。
同じ年の雑所得の中では、ある暗号資産の利益と別の暗号資産の損失を相殺できます(他の取引所の分も合計します)。取引手数料など、所得を得るためにかかった費用は必要経費として差し引けます。また、2028年1月からは、条件を満たす取引に分離課税(20.315%)が適用される見込みで、所得が多い人ほど今より税率が下がります。売る時期の判断は相場の変動も伴うため、税額の試算を参考に、必要なら税理士に相談してください。
よくある質問
利益が少額なら申告しなくてもバレませんか?
申告が必要かどうかは金額の基準で決まり、見つかるかどうかとは関係ありません。会社員でも、給与以外の所得が20万円を超えれば申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。
海外の取引所なら税務署にわかりませんか?
2026年から、CARFに参加する国・地域の取引業者は利用者の居住地国を確認し、その情報が税務当局の間で交換されます。取引業者のある国・地域によって開始時期は違いますが、日本居住者の情報が日本に届く仕組みは広がっています。
100万円以下なら申告しなくてもバレませんか?
100万円は、海外との100万円を超える送金や受金について銀行が税務署に国外送金等調書を出す基準で、申告が必要かどうかの基準ではありません。国内の取引所の取引は金額に関係なく税務署が照会できます。申告が必要になるのは、会社員なら給与以外の所得が20万円を超える場合などです。
何年前の取引までさかのぼって調べられますか?
原則として申告期限から5年、偽りや不正がある場合は7年です。
会社に知られずに申告できますか?
確定申告書の住民税に関する欄で、給与以外の所得の住民税を自分で納める方法(普通徴収)を選べる場合があります。扱いは市区町村によって異なるため、お住まいの自治体にご確認ください。